経済や社会の変化に伴い、IT技術者の需要は年々高まっているのが現状です。そこで本章では、IT技術者の需要が高まっている背景について解説です。
IT技術が企業活動に浸透しているので近年はIT業界の進化が目覚ましく、AIやIoT、ブロックチェーン、AR/VR、5Gなどさまざまな最先端技術が登場しています。今やこうした技術が企業活動にも浸透し、DXでビジネスモデルの変革を狙う企業も増えている状況です。デジタル技術は企業の成長に欠かせないものになったため、IT技術者の需要も高まっています。
高度な専門性が求められる職種でIT分野の職種は専門性が高いため、人材育成に時間がかかるのが特徴です。実際、OSやアプリケーションの専門知識、システムの開発スキルなど、広範なノウハウが必要になります。企業によっては育成が進まず、なかなか人材の数が増えないという現状があるのです。結果として供給が需要に追いつかず、人材不足に陥っています。
新型コロナウイルスの影響でIT化が促進されているから
近年は新型コロナウイルスの影響で、デジタル技術を活用したコミュニケーションが加速しています。例えば、日々の会議がビデオ通話アプリでオンライン化したり、資料管理にクラウドシステムが導入されたりしている状況です。こうしたデジタル化の重要性は今後も増える見通しで、IT技術者の需要が一層高まる可能性もあります。
IT技術者として今後キャリアを築いていく際、転職や実務で重宝する資格があります。本章では、IT技術者のキャリアに役立つ資格を紹介します。
ITパスポート
ITパスポートとは、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運営する国家資格で、ITに関する基本的な知識を身につけたことを証明できる資格です。ネットワークやセキュリティの基礎知識をはじめ、経営や財務、マーケティングにおけるITの利活用方法などを習得できます。IT技術者向けの資格としては、最も難易度の低いものの一つです。そのため、IT業界へキャリアチェンジする前の“入門編”として受講するのに最適といえます。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、いずれもIPAが運営する国家資格です。
基本情報技術者試験はプログラミングや統計、Webなどに関する基本的な問題が出題され、取得すればIT技術者としての基礎能力を証明できます。一方の応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位資格で、システム開発や工程管理などの応用的な能力を証明できる資格です。基本情報技術者試験はエンジニアとしてのキャリアをスタートする際、応用情報技術者試験はエンジニアとして数年の経験を積んだ際に受験するとスムーズでしょう。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IPAが運営する国家資格で、PM(プロジェクトマネージャ)としての能力を証明できる資格です。具体的には、プロダクト開発の責任者としてIT戦略を考案し、予算や工程を管理する能力の証になります。転職でプロダクトマネージャへキャリアアップを図る際、大きな武器になる資格です。