今回は『自分のやりたいことの棚卸と給与の高い仕事』についてです。
給料が高い会社に転職したい、というのは誰しもが思うことでしょうし、仕事をする以上自分を高く評価してくれる場所というのは魅力に感じるものです。しかし、会社としては利益が出たからとかお金があるからとかで人員を採用するわけでもないですし、採用費用や人件費用を上回るだけの投資効果があると思うから
コストを出す、という当たり前のルールがあります。
現状の社会保険費用と手取り計算
実際の法律上、現在では会社負担が給料の15%程度社会保険料になるので月額給料30万なら、会社負担は給料の15%上乗せになるので34.5万円になりますし、さらに交通費毎月2万かかるとすれば、36.5万円の負担になります。
さらに、自分としては月額30万でも手取りは15%の社会保険料が引かれるので、これだけでも26.5万円に手取りが下がります。さらに住民税や所得税がかかってくるので月額30万円の給料も、手取りだと25万近くになるんです。
なので、会社負担想定が36.5万円、手取りが25万なので10万近くの差異が出てきてて、自分が手取り25万なのに・・といっても会社側の負担はさらに大きなものになっているというのが、現在の状況です。
なかなか感性の世界になるのですが、「自分に36.5万かけてもらってるからこそ、それを上回る結果を出さなきゃ!」
と思えば会社側もいいのでしょうけど、25万しかもらってないのに仕事きついなんてやってられないな、と思うとお互いの不幸が始まると思います。
自分を支える周囲の目
結局こういったことがどの会社でも起きているのですが、部署の上司や先輩などは立場上で指導を行いますが、そうでないと普通は教えるメリットもなくなるので意識改革の部分まで指導をすることはまずありません。
そして家族だったり同僚だったり友人だったり身近な人は、その人自体の性質をしっかり見ているので支援も応援もしたくなる人ならいいのですが、その逆の場合にはだれもサポートしてくれなくなります。
結局その人の熱量次第、ではあるのですが、身近な人が支えて応援してくれるかはその人の持っているものであって、例えば家族や身近な人が反対しているのに会社でだけは非常にうまくいく、というのはなかなかないような気がします。
世の中のかっこいい仕事などにはたくさんのメディアが触れたり、賞賛を浴びることなども多々あります。今だとユーチューバーとか、Eスポーツの選手なんかはメディアにも出て派手な感じに見えます。
子供などはかっこいいなと純粋に思ったりするのでしょう。
やりたいことを職業にできるのは一部の優秀層だけ
ただ、世の中のみんながやりたい仕事は「世の中で求められている仕事」とは異なります。また、みんながやりたい仕事は「給与の高い仕事」ともまた異なってきます。自分がやりたい仕事は総じてコストパフォーマンスがよいとか、リモートでできるからとか、その一部分だけを見て考慮することが多いので、将来は危険なものになるかもしれません。
またプロ野球選手であったり税理士のような、自分が努力してやりたいことを職業にしている方もいますが、これは一部の優秀層だけと思うのが当たり前です。
例えばですが、新卒入社したら企業のよくない部分や、中には大変な部署や仕事に配属になることもありますし、よくいう営業なんかもその1つです。そして新規ばかりの営業は正直辛い部類の仕事にあてはまりますし、毎日新規で電話営業をしたり、そのロールプレイングで同僚同士や先輩と営業トークの練習をしたりなども楽しいものではありません。
飛び込み営業もまだありますし、特に新人のうちは能力も知識もないのでと、既存顧客担当を任せてもらえることがなく、新規開拓に専念するケースもあります。辛いですがしかし慣れれば営業職は一生仕事に困らないですし、仕事がうまく進みだすと楽しくなってきてこの仕事が天職と思えるようになるケースも多々あります。
本気でここまでなろうと思えばなれるものですし、プロ野球選手になる方法よりもずっと「一生困らない仕事力」を身につけるには一般人においてはすごく再現性が高いことだと思います。
誰しもがやりたくない仕事こそ、価値が高い仕事
結局、誰しもがやりたくない新規営業の仕事は「稼げる仕事」だったりしますし、会社や組織が「求めている仕事」だったりもします。ここに仕事をする人の認識と実際の市場や会社の「ギャップ」が存在しています。
昔のように、電卓を叩いて給料を計算する事務職も、電話だけをしっかり聞く電話番もほぼ仕事としてはなくなってきていて、給料はエクセルでも弥生会計やマネーフォワードなどで一発計算ですし、電話も固定電話でなく転送かけてスマホで在宅社員がキャッチするのも普通にサービスが出ています。
結局36.5万円会社負担して、手取り25万円の社員の価値よりも、外注に任せて毎月5万円だったり、電話のサービス使ってシステム利用料で毎月3万円、などで人の3分の1とか5分の1とか10分の1とかでできるように仕事がなってきています。
人の価値がどんどんなくなっていくなかで、市場とのギャップを見つけることは実に大事だと思います。だからこそ、「自分のやりたいことの棚卸」が必要であって、日々「自分は何ができるのか」や「市場の価値はどれくらいなのか」などの意識を高めることは、実は採用転職時だけでなく有益なのです。