転職を意識するきっかけはいくつかあります。以下のうちのどれかひとつ、または複数が複合したときに、人は転職を意識することが多くなります。
1.給与・評価制度
単純に給与が低い、給与が上がらないというケースもあれば、自分よりも仕事ができないと思われる従業員が高い給与をもらっていて納得できないというケースもあります。
また、給与が低い場合も、「任されている仕事に対して得られる給与が低い」という場合と、「単純に最低賃金ぎりぎり程度しかもらえていなくて生活が苦しい」という場合があります。
どちらも転職のきっかけになりうるものだといえるでしょう。
2.労働時間
最近ワークライフバランスを重視する方が増えてきています。あまりにも長時間の労働は、心身の健康に良くありません。
仕事とプライベートの時間をきっちり分けて、効率良く仕事をするのが、今の時代に即した働き方だといえます。
ところが、企業の中には、いまだ長時間の労働が当たり前になっているところが少なくありません。プライベートの時間を確保できなかったり、そもそも体調を崩すおそれがあったりするような場合は、転職を意識することになるでしょう。
3.人間関係
企業というのは、同じ目的を持って業務を行っていく組織です。友達や家族ではありませんから、それぞれが適切な距離を保ち、敬意と礼儀を持って接するのが理想だといえます。
ところが、人が集まればどうしても軋轢が生まれることもあります。円満な人間関係を築こうと思っていても、相手がそうとは限りません。
パワハラや嫌がらせといった明らかな問題だけでなく、同僚との仕事に関する考え方が合わない、距離感が異なる相手とどう付き合っていいかわからないといった問題が起こりえます。
また、同じ職場の方は、毎日顔を合わせる身近な存在です。その中にどうしても合わない方がいるというのは、強いストレスにつながります。
転職をすれば、苦手な方とも顔を合わせなくて済みますから、転職したいと感じるきっかけになります。とはいえ、部署異動などで対処できるのであれば、転職ではなく人事に相談して対処するといった方法もとれるでしょう。
4.仕事のやりがい
どうせ仕事をするのであれば、意欲的に取り組みたいものです。しかし、仕事をしていく中で、「ルーティンワークがつまらない」「無理矢理顧客に物を売り付けるような仕事をしたくない」など、仕事そのものに嫌気がさしてしまうこともあります。
このような問題を解決するのは難しいことです。仕事の良いところを見つけてポジティブに取り組めるようになればいいものの、そうでない場合は、やりがいを感じられる別の仕事を探すことになるでしょう。
5.経営方針
自分自身の考えと企業の経営方針やビジョンが、マッチしていないケースもあります。
経営方針は、企業に入社する前に確認しておくべきポイントです。しかし、実際に入ってみたところ、思っていたのとは違っていたということもあるでしょう。また、経営陣が代わることで、企業の方針が転換されることもあります。
そもそも、企業の風土と合わないこともあります。社員旅行といったイベントが苦痛、飲み会が多いなど、企業が良かれと思ってやっていることが自分自身の考え方と合わない場合、企業の目指す方向性と自分の希望する働き方がマッチしていない可能性が高いといえます。
6.企業の将来性
企業が大きく成長すれば、それとともに従業員も成長していくことができます。
しかし、企業の業績が悪くなれば、福利厚生制度が廃止されたり、賞与が減額されたりと、待遇は悪化していきます。企業の存続自体が危ぶまれるおそれもあるでしょう。
仕事は自分の生活基盤を支えてくれるものでもありますから、業績が悪化している企業や、後継者が育っておらず、将来は廃業かM&Aか…というような企業では、安心して勤め続けることができません。
7.もっと上を目指したい
これまでにご紹介した転職のきっかけは、全て現状に対する不満や問題点についてでした。しかし、転職を意識するきっかけは、ネガティブなものばかりではありません。
たとえば、ヘッドハンティングで今よりも責任のある仕事ができるポジションを提示された場合や、より専門的なスキルを身に付けられる企業への転職を考える場合などがあたります。
ひとつの企業に長く勤めてスペシャリストを目指すのも、ひとつのキャリア形成の在り方です。しかし、複数の企業を経験してキャリアアップをしていくというキャリアの築き方もあります。
自分の志望する業界や職務内容に応じて、キャリアプランを立てましょう。
8.個人的な理由
プライベートな事情が転職のきっかけになるケースもあります。
「遠方に暮らす家族が要介護になってしまい、面倒を見なければいけない」「結婚して引越しをすることになった」「病気になって現職を続けるのが難しい」といったケースがあります。
「個人的な理由で転職を考えているが、現職には満足している」というときは、仕事を変えずに問題を解決する方法がないかどうか、十分に検討してから結論を出しましょう。信頼できる第三者や上司などに、働き方を相談してみてください。